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恋文の技術 森見登美彦 を読んで

 

 

 

恋文の技術 (ポプラ文庫)

恋文の技術 (ポプラ文庫)

拝啓 お手紙ありがとう。

はじめがこれである。
ああなるほど、手紙を読ませてそれから話に入るってやり方ね、なるほどね
と思っていると次の手紙が始まる、しかも返信ではない、また主人公の書いた手紙だ。
思わずそこから先のページをパラパラとめくる。…手紙だ、どこまで行っても手紙だこれ
 
文庫本としては少し厚めと思えるこの本がすべて手紙形式で埋まっているのか、でも主人公からの手紙だけでは状況がよくわからんでしょ??と思いながら読み進めると章が変わり文通の相手が変わる。
なるほど、こうやって複数人出して状況に立体感を出していくのね!面白い!
文体が独特で正直読みづらいがその感じがだんだん楽しくなってくる、実は森見登美彦さんの作品『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半神話大系』『四畳半王国見聞録』の3作を読みづらさのあまり途中で投げてしまった私であるが本作は 手紙形式で区切り区切りがあって読みやすい
 
森見さんの作品には阿呆がよく出てくる、今回の主人公も阿呆だ、阿呆である。
ただ嫌な阿呆ではなく、微笑ましい楽しい阿呆である。
文通相手が変わると主人公の手紙の書き方も変わってくる、作品中で主人公が著者とも文通をするのだが著者に対しての主人公の感じが好きだ、冷静というか、ちょっといい感じにしようって感じが出てるのが好きだ。
 
読み終わったあと文通がしたくなると思います、きっと手紙が書きたくなる、あと森見さんの文体の癖が移っちゃったりすると思います。書いてみるのもいいでしょう、メールかLINEで返事が来るでしょうがね
 
読んだら脱力しておっぱい万歳と言おう